ところてんは美味しい
ヘルシーな間食として人気のところてん。そもそもところてんとはどういった食べ物なのでしょうか?知っているようで知らないところてんの歴史や食べ方などをご紹介します。
そもそもところてんはどういう食べ物?定義は?
ところてんの原材料は「天草(てんぐさ)」です。
天草を茹でて煮溶かし、冷まして固まったものがところてんとなります。一般的にはブロック状に出来上がったところてんを、「ところてん突き」と呼ばれる道具で細切りにしたものが、よく目にするところてんとなっています。
一部のところてんでは天草だけではなく、刺し身のツマなどにも使われる「オゴノリ」を混ぜて作られることもありますが、本来のところてんの定義としては天草のみで作られたものとされています。オゴノリが入ることで、天草のみのものと比べて食感が変わってくるため、大半のところてんは天草のみで作られたものが現在も流通しています。
ところてんは冷やして食べる事が多いため、昔から清涼感のある夏の食べ物として愛されてきました。またその味付けも地域によって三杯酢でスッキリとした酸味で食したり、黒蜜を使ってスイーツのように食したりと様々な味付けが古来から広まっているのも特徴です。
ところてんの歴史
ところてんの歴史はかなり古く、日本における食文化の中で深く根付いています。
奈良時代にはすでに食べられていたと考えられており、当時は天草を煮溶かして固めただけのシンプルな食べ方だったとされています。
その後、平安時代には、酢や醤油をかけて食べる食べ方が定着し、江戸時代には現在と同様に、三杯酢や黒蜜などをかけた食べ方が広まりました。
特に近年ではヘルシーな食べ物として注目も高まり、コンビニやスーパーでも年中販売されています。
ところてんは古は祭事や特別な機会に供される伝統的な食品として重宝されており、近年ではダイエット食としてまた別のかたちで着目されるなど、何世紀にもわたり愛されてきた食品なのです。
ところてんの代表的な食べ方
ところてんの食べ方としてポピュラーなのは、主に関東地方で食される「三杯酢」で味付けしたものです。三杯酢や酢醤油にカラシを少し加えて、青のりやごまをトッピングするものが日本全国としては主流なようです。
次に人気なのは関西地方で食される「黒蜜」で味付けする食べ方。これは関西では昔から「葛きり」が好まれており、葛きりに食感の近いところてんも葛きり同様に黒蜜で食べられるようになった、という説もあるそうです。
同じ食材なのに酸味と甘味と全く異なる味付けがされるのもところてんの特徴のひとつと言えるでしょう。
他にも地域によって様々な味付けや食べ方がされることも多く、地域の風土が感じられたりすることも面白いですね。
ところてんの健康利点
冒頭でも紹介した通り、ところてんは近年ダイエット食としても着目されています。
ところてんは天草から抽出される寒天質でできているため、ところてんの98~99%は水分で、残りの成分の大半は多糖類のため、とても低カロリーな食品のひとつといえます。
カロリーが低く、食物繊維が豊富なこともあって、ダイエット中の間食に利用されることが多いようです。
食物繊維は腸内環境を整える効果や、血糖値の上昇を抑える効果などがあるため、積極的に摂りたい食材です。食物繊維には整腸作用があるため、ダイエットに限らず便秘がちな方にもおすすめできます。
ただしダイエット食として利用する場合には、ところてんのみを食べるといった事は必須栄養素が摂れなくなるため避けましょう。あくまでも間食や一部の食材の置き換えとして取り入れるのが大事です。
ところてんの作り方
一般的には販売されているところてんを食べる事が多いでしょうが、ところてんは自作することももちろん可能です。
原材料となる天草はネットで購入することもできますし、漁港近くの物販店などでも売られていることがあります。
天草だけがあれば簡単に作ることができますので、一度は自作のところてんにチャレンジしてみるのも面白いでしょう。
・天草水で洗い、よく水気を切る。
・鍋に水と天草を入れ、強火にかける。
・沸騰したら弱火にして、約40分間煮込む。
・酢を加え、溶けきるまでかき混ぜる。
・布でこして、寒天質を取り出す。
・バットに移して、粗熱が取れる程度まで冷ます。
・冷蔵庫で冷やし固める。
・ところてん突きなどを使って細長く切り出して完成。
まとめ
ところてんはその独特な食感と多様な食べ方から古来から愛されてきた、低カロリーで食物繊維が豊富な健康的な食品です。さまざまな食べ方ができるため、さまざまなシーンで楽しむことができます。
この記事を通して、改めてところてんに関心を持っていただけたら嬉しく感じます。